カミキリムシの被害を受けて、プラタナスは泣いています。(写真ー1)
写真-1 ゴマダラカミキリの被害
樹皮に産み付けたゴマダラカミキリの卵が孵化し、 幼虫が幹の中に穴をあけて潜入し、材を食害をしています。(写真ー2)
写真-2 プラタナスとゴマダラカミキリ
虫糞と樹液が出て、まるで泣いているように見えませんか? 幼虫はこのまま材の中で生長を続け、幹下部や根に大きな穴をあけます。 (写真ー3) この木はついに枯れてしまいました。
写真-3 ゴマダラカミキリの被害
見つけ次第、虫糞排出孔にノズル付きスプレー殺虫剤を噴射して ガムで栓をしましょう。
カミキリムシや樹皮に穴をあける害虫は樹木にとっては大敵です。 マツを枯らす大流行病「マツ喰いむし」は、 その枯死原因である病原性線虫を運ぶマツノマダラカミキリです。
サクラの大敵はコスカシバで、幼虫が樹皮下に潜入して材を腐朽・衰弱させ、サクラの寿命を縮める要因にもなっています。
2007年9月10日 多賀正明 記
街路樹のプラタナス(鈴懸けの木)が盛んに古い皮を脱いでいます。 幹が太ったので今まで着ていた衣が窮屈になったのでしょう、 新しく衣替えをしています。(写真-1)
写真-1 プラタナスの樹皮
この現象は、今年の生長の季節が終わった事を意味しています。 薄壁のコルクの細胞がコルク形成層によって分離され剥離が起っているのです。 古い樹皮がまだらに剥がれ、下からは真っ白に化粧した新しい肌が出てきます。 おしゃれですね。
虫に食われないための忌避効果か、又は急に柔肌を強い陽にさらして、障害を受けないための日焼け止めクリームの代わりなのでしょうか? 白い化粧を擦り取ってみると、下から若い緑色の優しい肌が 見えます。(写真-2)
写真-2 プラタナスの樹皮 拡大
葉緑素を持っていて、若い新梢の樹皮と同じです。 クロマツなどは、古い樹皮がしつこく付いていて、コルク層が幾重にも厚く重なって乾燥や外部の被害から幹を守っています。
毎年樹皮を剥がせばプラタナスの樹皮は薄くなり、外部からの障害から身を守れないデメリットが多いと思われるが、はたしてどんなメリットはあるのでしょうか? クルマの排気ガスなどの汚染された空気で詰まった幹の皮目(幹が呼吸するための気孔)を、新しく出てきた皮目がこれに代わるので、呼吸が楽にでき元気に生長できるなのかもしれません。
その代わり、樹皮が薄いのでカミキリムシによる食害の被害を受け易くなります。
まだ残暑なのに、9月8日にサクラ(オオヤマザクラ)の花が咲きました。(写真-1)
写真-1. 9月に狂い咲きしたオオヤマザクラ
春に咲くべき花がどうして9月に咲いてしまったのでしょうか?
写真(写真-2)をご覧のように、このサクラの木には葉がありません。 葉は8月に全部落ちてしまったのです。(理由は分かりませんが。)
写真-2. 8月に落葉したサクラ
サクラは葉がなくなると、日長の変化を読めなくなります。 要するに、葉や芽で感知している生物時計が機能しなくなるわけです。
正常であれば、8月になると日が短くなるので、 葉は季節が秋になった事を読み取り、 冬に向けての準備のために、自発的に休眠するホルモンを出します。
不利な季節に花を咲かせないようにコントロールして、種の保存をするためです。 一旦休眠に入った花芽は、秋にはいくら温度が高くっても、花を咲かせません。 冬の一定の低温期間を経なければ、休眠が解除されないからです。
しかし、このサクラは夏に葉を無くしたので、休眠ホルモンが発生しません。 その為、花芽が夏の温度に反応して成熟生長し、開花してしまったのです。
このような狂い咲きは、夏季の害虫大発生により、 葉が丸坊主の被害を受けた時にも見られます。
サクラの樹勢(木の元気度)は、一つの花芽(つぼみ)に、 「いくつの花を付けているか」 を数えることで判断できます。
この花の数を調査する事は、 樹勢回復の処置をした後の効果を判定する基準の一つになっています。
処置をしてから2~3年後に調べれば、 樹勢回復がうまくいっているかどうかの確認ができるのです。
表-1. 花芽(つぼみ)の数から判定する桜の樹勢
普通は3~4個が中心です。6個の花が出ることは極めて稀です。
そこで、 樹勢回復の手当てをして、3年目のシダレザクラの花の数を調べました。 何も処置してない若い後継樹よりも、 花の数が多くなってのがわかります。
処置をしてない後継樹は3個の花が中心ですが、処置樹は 4個の花が中心で、6個という珍しい花も出ています。
写真. 全ての花芽から5個の花が出ている様子。
2007年8月27日 多賀正明 記
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