技術部会体験記 『深洞研修感想』  

 『深洞研修感想』

深洞に入ったとたんに、あまりの凄さに正直、驚きました。 自然のストレスに耐えるために、樹木たちは壮絶な戦いをしています。

まさに、マテック理論を勉強する格好の場所でした。

腐朽菌キノコに犯される高木
 腐朽菌キノコに犯される高木
ここは、きっと雪質に水分が多く含まれ重いのでしょうか・・・ 針葉樹の横に張り出した下枝は重さで折れてなくなっています。樹冠の小さいまま樹高が高くなりすぎると、同化産物が基部の樹体を支える部分には行かず、樹高と幹の太さの比率(H/D)が増加して、危険状態になっています。 きっと、次の大きな台風には倒れるのでしょう。
風の引っ張りを受ける根張り
 風の引っ張りを受ける根張り
更に、ここは一方向から常に強い風が吹いているようです。それを証明するのは、一方向に張り出した太い板根がみられます。我々の歩く道を防ぐように、太い根が一方向に張り出していました。
らせん状の亀裂
 らせん状の亀裂
又、その樹は風で捩じれた部分に亀裂が入り、腐朽が進行していました。ねじれて成長した樹木が逆方向に捻られると、ロープが捻り戻された状態になって、らせん状の亀裂が出来ることがあります。
ねじれ生長の木
 ねじれ生長の木
また、ミズナラの巨木がロープを編んだ如く見事に捩じれていました。樹冠に偏りがあったのでしょう、その偏重樹冠形態が風の抵抗を受けると風圧は回転エネルギーに変わるので、樹木は捻られる方向に木材繊維を形成して風に適応するのでしょう。ロープ状に撚られた繊維は、真っ直ぐな繊維よりも強くなりますから。 
大きな板根
 大きな板根
更に、この樹はとてつもなく大きな板根を4方向に発達させています。 風圧で倒ないように身を守っていますが、板根の大きさが風の強さを証明しています。
盆栽の木
 盆栽の木
盆栽の木も有りました。
マッテクはこれを「ハープの木」と言っています。楽器のハープです。傾斜した木が、もはや樹体を真っ直ぐに押し上げたり出来なくなると、枝は何らかの方法でそれに気がつく。そうなると枝は自分自身を真っ直ぐ上に成長させます。
竹馬樹木
 竹馬樹木
 竹馬樹木
腐朽して古くなった株の上で成長した木は、根の形態が高い柱のようになって立っています。この木をマテックは「竹馬樹木」とも呼んでいますが、支持力が不安定なために倒れやすい形態です。確かに、そんな木が倒れて腐朽し、残った根だけを観察する事ができました。
粋な心遣いがありがたい♪
橋本樹木医特注弁当♪
自然界は多くのことを我々に教えてくれました。
その意味でも、この森は樹木医にとっても貴重な参考森林です。
橋本さん、本当に有難う御座いました。

                        支部会員  多賀 正明
                                  
技術部会体験記 『深洞湿原探訪』

 『深洞湿原探訪』


深洞湿原探訪 研修会がおこなわれた‘深洞湿原’は岐阜県最北部の飛騨市神岡町山之村地区の標高約1,500mに位置する高層湿原で、水源涵養保安林に指定された国有林です。亜高山性針葉樹を優先種とする特異な森林が形成されていますが、歴史を紐解いてみても、何故あの湿原周辺だけが手付かずのまま今に至っているのか、謎を解明する資料がありません。しかし、あの深洞金木戸国有林の周辺は「ウレ山」と呼ばれていること、また、「守」「神」という地名が存在することが、莫越の森になったのではないかと信じてやみません。


 さて、今回の深洞の森の散策では、もう一つ素晴らしい恩恵をこの森からうけました。それは、「森に癒された」という「生理的効果」です。森林散策をおこなうと、緊張・不安・怒り・混乱・落ち込みなどの気分状態が有意に低下します。これは、樹木がもつ精油成分(特にαーピネン)が森林の中に漂い、これを浴びることによって、人に対してプラス効果をもたらすからです。私たちが入山した・夏 ・午前中 ・針葉樹の森 が最も高い効果の生理活性が期待できます。森林に入るとリフレッシュするというのは、木の緑による「視覚的効果」と植物のフィトンチッドによる「生理的効果」に私たちが癒されているからです。


 深洞の森の香りを覚えているでしょうか。クロベ、チョウセンゴヨウ、オオシラビソ、トウヒなど精油成分を含んだ樹木がたくさん自生していました。やすらぎ・鎮静・落ち着き・血圧低下・集中力増加・眠気覚ましなどのリフレッシュ作用が働いたはずです。


 森林にはこのような目に見えない素晴らしい効果があるんだ、ということをふまえたうえで、森歩きを楽しむのも良いものです。


深洞湿原探訪
                       支部会員  橋本 博


技術研修会が開催されました。

去る平成19年7月21,22日、岐阜県飛騨市山之村地区に位置する『深洞湿原』において、日本樹木医会 岐阜県支部の技術研修会が行われました。


   ~~深洞湿原~~
  深洞湿原は、北アルプスから派生する尾根上凹部にある標高1,600mの高層湿原。
  ここでは、オオシラビソ,トウヒ,コメツガ,クロベなどの亜高山針葉樹の原生林分を中心に、
  ブナ,ミズナラ,ナナカマドなどの夏緑林分が広がり、ミズバショウ,ニッコウキスゲ,バイケイソウ,
  ワタスゲなどの亜高山植物が見られる。
  成熟期から老齢期の林分構造であるが、自然かく乱(落雷,雪害など)により生じるギャップが随所
  に存在し、そこには違った林分構造が見られる。(研修会レジュメより抜粋)


参加した会員は、『深洞湿原』の壮大さに抱かれながら、闊達な意見交換が行われました。
   

   ※現在、一般の方の、深洞湿原への入山は禁止されています。


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                                                支部会員  加藤 一志

  



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